永原さんと初めてお会いしたときの事

お電話で永原さんに被爆ポンプのことを詳しく教えていただいた後のこと。


被爆ポンプのことをひとまずレポートのような感じでまとめました。

学校のクラスのみんなに知ってもらうため、最初はレポートのままか、興味を持ってもらうためクイズ形式のようにするかどちらかでと考えていました。


永原さんは被爆体験継承者で、平和記念資料館で被爆体験のお話をされていると聞いたので、夏休みという事もあり美空とそのお話を聞きに行きました。

8月4日の午後。その日初めて永原さんにお会いしました。

永原さんは、電話口で聞いた優しい声の通り、お顔もとても優しく穏やかな方でした。


私達の他にもたくさんの方々が永原さんのお話を聞きに来られていました。

永原さんは若い方々に、前の席が空いていると、ぜひ前に座って下さいと勧められていました。


お話の内容は、継承された岡田さんの被爆体験と、永原さんご自身のお話しでした。


─このお話の内容は、ぜひ平和記念資料館で皆さんに直接聞いていただきたいです。

文字に書き起こしたものと、人の口から感情を持って語られるものは受ける印象が全く違い、被爆体験継承者の皆様の存在がいかに重要かと思いました。─


お話が終わった後、県外から来られた方々が永原さんに熱心に質問などをされていたので、また来ることができる私達は邪魔をしないようにその日はそっと帰りました。


美空と家に帰り、永原さんのお話について思い出しながら話しました。


永原さんはお話しの最後にこう言われました。

「お願いです。このお話を家族、友達にお話しして伝えてください。」

その言葉を美空も私も大切に受けとりました。

被爆ポンプの事、レポートやクイズとかじゃ伝えきれないかも。どうする?と。

そうしたら美空が

「小さい子も読める絵本にしたい」

といいました。

小さい子が好きな美空らしいアイデアだと思いました。